「男性社員と同じように働けるのは、子供のいない女性だけじゃん……」
最近では大企業でも中小のベンチャー企業でも、バリバリ活躍する女性が目立ちます。が、まだまだ「出産したら以前のように仕事が続けられなくなった、退職せざるを得ない」という女性が多数派です。20代のうちは男性と同じように「活躍」できても、30代になって出産したら「戦力外通告」。こうした現状を、一部の企業は「女性がたくさん活躍しています(ただし出産するまではね)」という言葉で、ごまかしているように思えます。
多くの企業には、若いうちからそれなりの仕事を任され、前向きに仕事をしている女性がいるでしょう。就活中の女子学生は、そんな「自分と年齢の近い女性たちの活躍ぶり」を聞いて、「そうか、私も頑張ろう!」と胸を躍らせます。が、入社してみたら、結婚や出産などのライフイベントと、仕事の両立は難しいと気づくのです。
30代、40代になって昇進している女性は、独身だったり子供がいなかったりすることもしばしば。会社員時代、20代女子で集まって飲む機会が多かったのですが、「男性社員と同じように働けるのは、子供のいない女性だけじゃん……」という話題になることがよくありました。こうした飲みの席では、何となく皆で不安を共有し合った後、「結局は自分がつぶれないように、ほどほどに働くのが一番だよね」と、お茶を濁して終わるのが常だったように思います。
本当は能力があるのに、「マミートラック」の別名であるかのような「ワークライフバランス」の実態を見て失望し、やる気をなくしていく女子社員たち。ワークライフバランスの実現は大切ですが、多くの企業には、こうした若手女子をいかに「長期的な視野で育てていけるか」もまた、問われているのではないでしょうか。(北条かや)