「ごく親しい人」たちから噂が広まる
そんな「元・女子大生キャバ嬢」が会社に入ったら、どうなるか。もちろん、本人はキャバクラで様々な人間関係を見てきており、「口は災いの元」ということを知っていますから、バイト歴をおおっぴらにすることはありません。が、ごく親しい同期や先輩などには、元キャバ嬢であることを打ち明けることもある。その後、営業などで華々しい成績を上げたりすると、その「ごく親しい人」たちから噂が広まり、「あの子、元キャバ嬢だったらしいよ」となるわけです。事実を知った社員たちは、「あ~、やっぱりそうだよね」という感じ。時には、「学生時代は派手に遊んでいたらしい」とか「男に貢がせていたそうだ」などと、噂に尾ひれがついて広まることもありますが、さすがに水商売への偏見から「枕営業してるんだろ!」などと陰口を言う人はいないようです。そんなことを言えば、悪口を言った本人が品位を落とすことになります。
ただ、彼女の直属の上司は、「パフォーマンスさえ上げてくれれば良い」と考えているので、正直言って部下が元・キャバ嬢だったどうかは、それほど問題にしません。むしろ前向きに捉えることすらあるようです。そんな上司たちよりも、元キャバ嬢に厳しいのは、同僚の女性社員(と、一部の男性社員)。水商売の世界を「自分とは関係のない、別世界」と考えている男女は、「キャバ嬢をやっていた」というだけで否定的に捉えてしまうのでしょう。キャバクラ嬢という仕事は、数ある「サービス業」の1つに過ぎません。多くのキャバ嬢を見てきた私はそう思います。が、なかなか偏見は消えないのが現状です。(北条かや)