本格的なババ抜きに頭をつかう時が来たようだ
世帯年収355万円のひとが4000万円の家を手にいれるには、このくらいの博打に出ないといけないのかもしれない。とはいっても、リスクといえば、自己破産くらいで、まじめに家をかっても、貯金もままならないのだから、どうせゼロはゼロで、リスクなどないだろう。
かつて同じような仕組みがあった。サブプライムローンだ。
サブプライムの場合、NINJAローンというのがあって、No Income No Job No Asset、つまり、収入も資産もない人にたいして、家の値上がり益だけを担保にお金を貸した。
本件の場合、No Income No Job No Assetでも、財政破綻で帳消しにできる。
完全なるモラルハザードだ。このスキームなら、どんな低所得のひとでも、利子だけ払うことができれば家が買える。家をかったひとも、利子相当額のオプションプレミアムを払い続ければ、10年立たないうちに、おそらく、本当に家が手に入る。
これは妄想だと思う人もいるかもしれないが、東京オリンピック後はなにが起きてもおかしくない。どうせお金もなく、稼げる見込みのない人は、財政破綻のほうに張っておくのもわるくない。そろそろ本格的なババ抜きに頭をつかう時が来たようだ。(大石哲之)