大阪・神戸アメリカ総領事を務めていたパトリック・ジョセフ・リネハン氏が、2014年7月末で任期を終え、母国アメリカに帰国した。リネハン氏はゲイ(男性の同性愛者)であることを公言し、LGBT(性的少数者)への理解を訴えた人物でもあった。
毎日新聞の記事「リネハンさん:『日本変わった』 ゲイ公言の米総領事帰国」(2014年7月27日配信)では、リネハン氏へのインタビューをまとめている。氏はこれまでの日本での任務を振り返り、社会の変容について語った。
リネハン氏、「10年前」との違いを語る
リネハン氏が初来日したのは1988年。札幌の米国領事館、東京の米国大使館などでの勤務を経て、2011年に大阪・神戸総領事に着任した。記事のなかで、氏は「10年前は『日本にゲイはいるけど、私は知らない』と言われました。今はこうです。『日本にゲイはいる。私も知ってるよ』。政治家の中にもLGBTを公言する人が出てきました」と語り、「日本は大きく変わった」としている。
リネハン氏は在任中、講演活動などを通じてLGBTへの理解を広めるよう尽力し、1人1人の人間の「Different(違い)」を尊重し、その価値に目を向けてほしいと訴えてきた。
日本には、LGBTの人はどのくらいいるのだろうか。20歳から59歳の男女約6万9800人を調べた、電通総研の「LGBT調査2012」(2013年11月5日発表)によると、5.2%だった。
勤労世代の約5%ということは、職場の身近なところにLGBTがいても不思議ではない。ネットのQ&Aサイトにも、関連の相談が寄せられている。
「Yahoo!知恵袋」をみると、「イケメンで仕事もできる」上司がゲイだったらどう思うか?(2013年5月14日)、レズの女性に「カミングアウトしましたか?」(12年8月30日)と問うものなど、かなりの数の質問が見つかった。