「2度も叱った。親父にも叱られたことないのに」
ただ、最近、学生を指導していて「家庭でも学校でも叱られた経験が少ないのでは?」という事を強く感じてしまう。大学生は大人(っぽい歳)であるので、「叱る」よりも、論理立てて指導することが多いが、やはり、実験中に危険な行為を行ったとか、他人を怪我させかねない状況を作った場合など、若干語気を強めて叱ることもある。
「何やってんだ!危ないじゃないか!! だから、実験にハイヒールなんて履いてくるなって言っただろう。すぐに踵のないズックに履き替えてこい!!」
ここで「チッ」って舌打ちして履き替えに行ったり、「何がいけないんですか~」と文句を言ってきたりするリケジョはまだマシである。困るのは、涙を浮かべて、実験室より逃走するタイプだ。そのまま実家まで逃走、大学からフェードアウト、なんてことにもなりかねない(そうなる前に対処するけどね)。
いかなる場合でも、
「大丈夫ですか?危険ですから実験にはハイヒールではなく、底のない靴をお勧めしますよ。それにスカートよりもズボ…いやパンツの方が良いと思いますよ」
と優しく指導しないといけないのかしらん……
「2度も叱った。親父にも叱られたことないのに」――なんて言葉が聞こえてきそうである。(プロフェッサーXYZ)