たばこを吸う人が減り続けている。ますます「少数派」となっている喫煙者への「風当たり」は、職場でも厳しくなっているようだ。周囲の人に受動喫煙の心配がない、別の場所に移動しての「たばこ休憩」でも冷たい視線が向けられるケースがある。
喫煙率は、19年連続で過去最低を更新している。JT(本社・東京)が2014年7月30日に発表した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、国内の喫煙率は19.7%と、調査開始以来、初めて2割を下回った。男性の喫煙率は30.3%、女性は9.8%。それぞれ、前年より1.9、0.7ポイント下がっている。
働く若い女性の6割近くは「なし」と回答
愛煙家にとって、勤務中の「たばこ休憩」は気分転換のひとつだが、多くの若い女性社員には受けが良くないようだ。
ニュースサイト「マイナビウーマン」が、22歳~34歳の働く女性298人に対し、「職場における『タバコ休憩』についてどう思いますか?」と尋ねたところ、「なし」が58.4%、「あり」が41.6%と、6割近くが否定的に捉えていることがわかった(2014年7月7日公表、方法はWebアンケート)。
同記事を受け、ツイッターでは様々な意見が飛び交った。健康面への悪影響を指摘する声としては、「たばこを吸えないからイライラして仕事中断してたばこを吸う。だったらもう悪循環でしかないな」「体にダメージ蓄積させてリフレッシュって……」といったつぶやきが見られた。
「あまりに不公平」の声も
また、吸う本人の健康問題や周囲の受動喫煙問題とは別に、
「オフィスが全面禁煙になったと喜んでいたら、他のフロアの喫煙室に男性社員たちが集まるようになった。その間、電話番は私1人。あまりに不公平です」
「休憩時間以外のタバコ休憩がありなら、仕事中に抜け出して5分ほど携帯ゲームいじってるのもOKになる。喫煙者はそれを見て許せるのか?」
「じゃあ僕はネット中毒なんでネット休憩いただくッスね!」
など、「たばこ休憩」について「特別扱い」と捉え、不公平感を訴えている人も目立つ。
職場の完全禁煙・分煙化が進む中、「隣の席でたばこを吸う人の煙が迷惑」といった直接的な被害を訴える人は多くないが、それでも「たばこ休憩」への反発は強いようだ。
もっとも、中には「たばこだけをやり玉に挙げる風潮」に疑問を感じる向きも。「(たばこ休憩は仕事の合間に)小休止を挟むのと一緒。ちょっと飲み物を飲んで伸びをする代わりに、ちょっとたばこを吸っているだけ。何の問題もない」という意見もあった。(KH)