前回のパート7「人の心を動かす戦略」に続き、ジェイ・キャストのビジネス電子本『心を読んでビジネスに勝つ』のパート8「心理戦の勝者に学ぶ」の冒頭部分を紹介する。
(第1節)圧倒的不利を覆す
日本海海戦で、日本海軍が当時世界最強のロシア・バルチック艦隊を破ったのは、理論の呪縛から逃れることができたからだ。参謀の秋山真之は、あらゆる資料を基に、西洋流の理論で海戦の戦略を立てていた。しかし、導かれる答えは、完全勝利は望めないという最悪の結論であった。
(第2節)理論の呪縛から逃れる
秋山参謀は、西洋流の理論でだめなら日本の理論でいけばいいと、中世から名を馳せた村上水軍の戦術を採用することにした。敵の目の前でUターンし、並走して撃ち合いに持ち込む「敵前回頭」という戦術だった。