「リケジョの夏休み」めぐる大誤解 昔ほど長くないんですってば!

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   夏真っ盛り!海だ山だ花火だ祭りだ!! 8月に入って、ようやく大学も夏休みである。

   「いや、いや、大学なんて7月から夏休みでしょ。それに秋の虫がとっくに鳴き始めている9月の末ぐらいまで夏休みのくせに、うらやましいなぁ~」なんて言っている、あ、な、た、昭和生まれでしょう。最近の大学生は、小学校~高校が夏休みに入った7月下旬も朝早くから夕方まで講義を受講し、実験を行っているのである。

かつては年間「24週」、今では「30」週が普通

夏だ、夏休みだ!
夏だ、夏休みだ!

   お父様・お母様方、リケダン・リケジョ志望の受験生に「今がんばって志望大学に合格すれば、後は楽。大学なんて休みばかりなんだから」、「大学なんて社会に出る前の休養期間みたいなもの。この半年頑張れば、4年間のバケーションが待っている!」という励ましは100%間違っている…とまでは言わないが、ちょっと言い過ぎである。でも、たまに高校の進路指導先生も同じような事を言ってるものな~、困ったものである。

   まあ、割と最近まで、大学は年間24週の講義・実験+試験というスケジュールが一般的であった。とすると、1年が52週としても半分が休み…、夏休みも2か月以上あり、秋学期の始まりには「えっ、この人たちは誰?前にいた学生はどこへ!?」と驚くほど真っ黒に日焼けしたリケジョが沢山いた。

   しかし、今は30週の講義・実験+試験というのが普通である。詳しい事は省略するが、標準的に1単位は45時間の勉学が必要なわけで、そのうち15時間が講義であり、残り30時間が予習と復習というのが一般的。前に書いたでしょ、講義の時間以上の予習と復習が必要だって、寝る暇もないの!!

「先生も学生と一緒に夏休みでしょう」という質問への答えは…

   いろいろな、大人の事情があって、どの大学でも昔は45時間の規定を「やんわり」運用していた。が、最近は厳密に運用し、夏休み前までに15週の講義を行う事になっている。つまり、4月早々に講義をはじめて7月下旬まで講義を行い、試験を経て、やっと夏休みなのです。

   まあそれでも大学生は夏休みの宿題があるわけでなし、自由研究や読書感想文を強要されるわけでなし、有効にバケーションを過ごして自己研鑽に励んでいただきたいものである。

   「先生も学生と一緒に夏休みでしょう」という質問への答えは、「ブー」である。研究室は原則、お盆と正月以外は営業中である。「生き物」を扱っている先生なんて、盆と正月も営業中である。「たまには家に帰った方が良いですよ」とアドバイスしたくなる。まあ、家が嫌いなのかもしれないが……(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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