優秀と判定した人材が伸び悩み、退社も
高学歴であれば採用時にはアピールポイントになり、入社すれば「きっと仕事もできるはず」と歓迎されるだろう。ところがふたを開けてみたらガッカリ、というケースを2012年7月23日の「女子力アップ Googirl」が「高学歴だけど仕事ができない人の7つのパターン」として挙げている。
「学生時代に怒られた経験がないため、仕事で怒られると必要以上に落ち込んで会社に来なくなることもある」、「プライドが高く、注意されても自分のやり方を変えない」、「一度失敗すると、別の挑戦をするのが怖くなる」……。期待が高かった人材が実は厄介者だった、となれば会社としても損失だ。
どうしてこんなことが起きるのか。セレブレイン社長の高城幸司氏は2014年7月28日付の「東洋経済オンライン」で、入社時の「優秀」の判定に問題がある可能性を指摘している。
高城氏が取材した会社の場合、内定を出す際に「論理的思考力」「リーダーシップ」「問題発見能力」が「かなり高い」学生を優秀としているという。ただ人事部では、優秀と判定した内定者が入社後にどの程度活躍しているかは追っていないそうで、高城氏は「非常に由々しき問題」とした。実はこうした学生が入社してから伸び悩んだり、退職したりする例は少なくないそうだ。
では実際に会社で活躍する人材の特徴は何か。分析によると「責任感」「コスト意識」「ストレス耐性」を備えている人たちだったという。採用面接では、これらのポテンシャルをあぶりだす質問をぶつけるよう勧めている。限られた回数、時間しかない面接時に、就活生の本質を見抜くのは簡単ではない。それでも、社会人として成長するうえでの真の「優秀さ」を備えた人材を確保できるかどうかが、会社の未来を左右しかねない。