「男子はサッパリVS女子はドロドロ」の理由
ドラマ「ファースト・クラス」が良い例ですが、女性同士のトラブルは「泥沼」「格付け」「ドロドロ」などと表現されることが多いようです。一方、男性同士のトラブルは「競争」「下克上」などのイメージで語られることが多いようですね(ドラマ「半沢直樹」が分かりやすい例でしょうか)。そういえば幼い頃から、「女子はグループに分かれて、裏でネチネチ悪口を言う」「男子は殴り合いのケンカもするけど、終わったら後腐れがない」という話は、耳にタコができるほど聞かされてきました。社会に出ても、この図式を信じている人は結構いるようです。
しかし、「女子の人間関係=ドロドロ」という図式は、そもそも「女性が集まっている場では、女同士、和気あいあいと仲良くしなければならない」という前提があるために出てくるのではないでしょうか。「和気あいあい」の規範があればこそ、少しでもその「和」が乱れると「あ!女子がまたドロドロしてる!」と言われるわけです。
また、多くの会社では未だに、女性が上を目指す環境が整っていません。キャリアアップ意識のない女子が集まる職場では、仕事での競争意識が生まれず、「和気あいあいルール」が支配することになります。横並びの集団は、細かな違いをあげつらう「マウンティング地獄」と紙一重です。逆に、仕事が忙しくて全員の目標達成意識がハッキリしている職場では、ネチネチ悪口を言い合っているヒマはないでしょう。「そもそも女同士、仲良くすべき」という前提が、かえって「ドロドロの人間関係」を生むのだとすれば、それ以上の「競争原理」を職場に持ち込むことで、余計なトラブルはなくなるのではないでしょうか。(北条かや)