会社員生活を送る中で、転職を考えたことがあるという人は少なくないだろう。転職支援サイトDODAは、「転職は何回までできる?『転職回数』と『転職成功』の関係性」の記事で、 転職経験のあるビジネスパーソンを対象にした調査結果を発表した(2014年7月14日)。
調査結果の「転職したい人の推移」を見ると、2013年度の転職希望者は12年度より増加し、特に転職は「初めて」だという層では、約4.5ポイントと1ポイント以上の伸びとなった(07年度の「4回目以上」を1とした比較)。「2回目」「3回目」「4回目以上」のいずれの層でも上昇している。
転職マーケットが売り手市場に変化
また、「転職成功した人の転職回数別の割合」の数値を2012年度と2013年度とで比べてみると、「3回目」「4回目以上」の人が占める割合がいずれも微増した。それぞれ、10数%と約10%に伸びる一方、最多を占める「初めて」は低下した。
この結果について記事では、「転職マーケットが売り手市場に変化して、採用企業側が転職回数以上にキャリアやスキル、ポテンシャルを重視するようになってきたため」と分析している。
さらに、実際に転職回数の多い人材を採用した経験のある人事担当者の声として、転職回数が多いことは気になったが、面接で会ったところ「求める人物像に非常に近しい方で、これまでの転職理由も合点がいくものだったので、マイナス評価にはならなかった」とのケースも紹介されていた。
35歳以上では、「4回以上」の割合が最高に
「転職成功した人」の転職回数別の割合を年齢別で見ると、34歳以下では「初めて」が最も高い結果が続いている。
一方、2013年度の35歳以上では、「4回以上」が最高になった。12年度までの最高は「2回目」だった。記事では、転職回数が多かったとしてもこれまでに在籍してきた会社での実績があればむしろ「変化に柔軟で、環境が変わっても成果を出せる」との評価につながり、「事業課題を解決できる強みを持つ人を採用したい」との機運の高まりが背景にあるとしている。
調査は、2007年4月から2014年3月までの7年間にわたって集めたデータを集計した(有効回答数は約6万5000)。
この記事に寄せられたツイートには「転職成功の定義がわからん」というものもあった。確かに、転職に何を求めるか、何を「成功」と考えるかは人それぞれで主観的なものだ。とはいえ、「転職に成功した」と答えた人の中で占める転職回数ごとの割合に変化が出始め、記事にあるように「『転職回数が多いと不利』と一概には言えなくなって」いるのであれば、選択肢は今後も増えてキャリアはますます多様化する傾向にあるのかもしれない。(RH)