政府は「男性育休取得率13%へ」を掲げるが…
ユーキャンが6月10日発表した「男性の育児休暇取得に関するアンケート」では、男性ビジネスマンを対象にネットで調査を行っている。調査結果によると「会社に育休を取得しやすい制度があるか」との質問に「ある」と答えたのは、育休取得経験者の71.4%、育休取得未経験者は31.0%。男性が育休を取得するには、まず会社の制度が充実していることが前提となるということだろう。
そして育休を取得する際の障壁についての質問には、育休取得者・未取得者ともに「職場の理解が足りない」との答えが最も多く、半数以上がこの回答をあげていた。
この調査の解説では「パタニティ・ハラスメント」(パタハラ)という言葉が紹介されている。パタニティとは父性のことで、「男性が育児参加を通して父性を発揮する権利・機会を侵害すること」を指すという。男性が育休を取ることを妨げるような行為も「パタハラ」だ。
先に紹介した、「男性の育休は単なるサボりだ」というような言葉も「パタハラ」と言えるのかもしれない。子育て中の男性の気持を萎えさせる発言であることは間違いない。
現在の男性の育休取得率は2.03%(厚生労働省「雇用均等基本調査」、2013年度速報)。政府の「新成長戦略」は、「女性の活躍推進」を1つの柱とし、2020年までに男性育休取得率を13%にすることを目標にしている。ずいぶん控えめな目標だとの指摘もあるが、「セクハラ」「パタハラ」が横行しているこの状況では、この数値さえ達成できるかどうか怪しいところだ。(RH)