集団的自衛権の容認が閣議決定された。ニュースでも大きく報道され、官邸周辺はこれに反対する人たちによるデモで騒然とした。その後も、各地でデモは継続中だそうだ。同盟国の後方支援という、国際的に見ればもともと自衛権の範囲に収まっているレベルの話に過ぎないのに、報道だけ見ていると、まるで日本の外交政策が180度変わるかのごとき騒ぎっぷりである(筆者の周囲で話題にしている人は誰もいないが)。
ちなみに、筆者自身はこの問題にはなんの関心もない。とはいえ「興味ないです」で終わってもなんなので、とりあえず筆者が「集団的自衛権云々に興味がない理由」について説明しておこう。
改革しようとすれば、必ず反対する人たちが一定数存在する
何の分野であれ、何かを改革しようとすれば、必ず反対する人たちが一定数存在する。そういう既得権層をおどしたりすかしたりしてちまちま政策を実行していくことが政治の仕事だが、年金問題のようにあまりに既得権側(=高齢者)が強力だと、政治側は「改革」という言葉すらなかなか口には出せない。
一方で、世の中には、国内に反対者がほとんどいない美味しいテーマもある。それは外交だ。「国民をびしびし働かせるぞ!」と言ったら総バッシングされるだろうが、「隣国をびしびししばき上げるぞ!」と言えば逆に支持率が上がることも珍しくないのだから、政治家にとってこれほど美味しいネタもない。
中国や韓国といった国は、国内に色々な問題を抱えていて、政治運営に微妙なかじ取りが要求される国だ。そんな彼らにとって「日本は軍国主義化しつつある!けしからん!」というのは、病みつきになるほど美味しいカードである。だから、彼らはこれからもことあるごとに「日本の軍国主義化」を自国民向けに叫び続けるだろう。
そして、そういう困った人たちは我が国にもいる。共産党や社民党、それに民主党といった政党は、今の政府の経済政策にケチをつけられない。なにも政府が100点満点だという意味ではなく、丸見えの弱点である「成長戦略が生ぬるい」という一点を(その生ぬるさに依存しているが故に)彼ら野党は口が裂けても指摘できないからだ。