「『当社で働く誇り』ないのは、あまりに残念」 社長が目覚めた「ミッション提示・共有」の必要性

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「数字さえ上がればいい」ではなく

   社長がまとめたG社のミッションは、「建物の設計、建設という仕事を通じて、自社も地域の人たちの生活も、すべて明るく楽しいものにしていく」というものでした。社長は全員を集めた会議で、このミッションに込められた創業の精神や自身の思いを伝え、「日々仕事をする中で自己の判断基準として、このミッションに沿っているか否かを常に置いて欲しい」と話をしました。

   社長のミッションに込めた並々ならぬ思いと、現場への浸透の投げかけに対して、「これから建築と営業で議論になった際には、常にこのミッションに照らしてどのように対処すべきかを考え結論を出すようにしよう」と建築部長と営業部長がその場で話し合い、具体的な取り組みをはじめることにもなりました。

   同じ目標数字を追いかけるにしても、ミッションのある会社は「数字さえ上がればいい」ではなく、いかに企業として満足度の高いやり方で数字を上げていくかを意識します。しかし、ミッション意識不在の経営では、数字ばかりを追いかけることになってしまい、最悪のケースではブラックと言われる状況にもなりかねないのです。経営者は常にミッションを意識し、それを社員と共有する必要があるのです。

   その後G社のビジョン会議は、自社ミッションをベースとして様々な議論がすすみ、これまで数字ばかりだった経営目標を改めるべく中期ビジョンと中期経営計画の策定に入ったと聞いています。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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