決め手は笑顔でこの一言
セクハラをする人は大抵、「これは嫌がらせに当たるかな」なんて真剣に考えていません。飲みの席では、盛り上がってタガが外れた人もいます。そこで一言、「それ、セクハラですよ!」と明るく反撃するのです。もちろん現実には様々なセクハラがあり、急な対処が難しい場合もあるでしょう。それでもF子は、「それ、セクハラですよ!」と明るく言ってのける先輩に、性的嫌がらせを明るく蹴り飛ばす力を感じたのでした。
ただ「セクハラですよ」と言うだけでは、「どこがだよ!」と逆ギレされる可能性もあります。なので、具体的に教えてあげましょう。「手を握るのはセクハラじゃないですか~?彼氏以外にされたら嫌ですよ!」と、具体的にどこがイヤだったのか表明することで、相手の理解も得られるはずです。甘い見通しかもしれませんが、何も言わずに後悔するより、ずいぶん気が楽になるでしょう。他の人がセクハラに遭っているときも、迷わず「それ、セクハラじゃないですか~?」(笑顔で)。困っている同僚を、救えるかもしれません。
9年前に出た香山リカさんのエッセイ『働く女の胸のウチ』(2005年、大和書房)では、女性の同僚に「それ、セクハラですよ!」と言われ、「どこからがセクハラなのか、さっぱりわからなくて」と悩む男性編集者が登場します。彼の気持ちも、よく理解できる。なので、「あなたの発言のここがセクハラだと(私は)思いますよ」と、教えてあげるのがよいでしょう。あくまで「私はこう思う」と言うのがポイント。この方法なら男性も使えます。上司から性的な話題を振られて困ったら「それ、セクハラですよ」。「最近の若手はすぐセクハラだと言って心を開かない」なんて言われても、いいじゃないですか。(北条かや)