「顧客のニーズを把握する」能力にも長けている
売れっ子キャバ嬢は、「顧客のニーズを把握する」能力にも長けています。ある女子大生キャバ嬢いわく、お客さんの席についたらまず「話を聴くことに集中する」とのこと。団体客の場合は「お客さん同士の力関係」を判断し、それぞれのタイプを見極めます。たとえば「上司におべっかを使い、自分はいじられキャラに徹している」若手社員の隣に座ったら、「本当は○○さんだって頑張ってるんですよね、でも辛い時もありますよね。きっとあの上司も、そういう○○さんのこと評価してますよ♪」と、上司には聞こえないように囁く。すると「いじられキャラ」を演じている社員は、「この子は分かってくれている」と感激し、指名に繋がるというのです。
キャバ嬢として「相手の話を聴き、相手が喜ぶものを提供する」技術は、社会人としても必要なスキルでしょう。こうした技術を磨こうと、自己啓発書や会話テクニックの本を読んで勉強しているキャバ嬢も目立ちました。そうまでして「ランキング上位を目指したい」という熱意があるのですね。
もちろん、女子大生キャバ嬢たちは「水商売」への偏見が根強いことも分かっているので、面接や入社後に自ら「キャバクラで働いていました」とは言いません。でもその上昇志向や、相手の話をきちんと聞く能力は、面接官や顧客にそれとなく伝わるようです。
キャバクラは、精神的な苦労から短期間で辞めていく人が多い業界です。そんな中で一定期間にわたりランキング上位を維持できるキャバ嬢は、単に気遣いができるだけでなく、ストレス耐性もある。そういう人材を、一部の企業が「採用したい」となるのは分かる気がします。(北条かや)