校歌の中でも「人らしき人」という言葉が出てくる
「対人力」でトップの評価を受けた福岡大学は、1934年に「福岡高等商業学校」として創立した私立大学。大学広報課に取材すると、「校歌の中にも『人らしき人』という言葉が出てくるほど、人格形成、人間教育を重視しています」と今回の結果を喜んだ。
学生の対人力強化には、大学側の様々な働きかけや取り組みがある。学生数2万人超、9学部31学科すべてがひとつのキャンパスに集い、「多岐にわたる専門分野の教員と学生、あるいは学生相互の交流が日常行われる教育研究環境にある」。例えば共通教育科目の中の「教養ゼミ」は、1クラス20人ほどの少人数制で、異なる分野の学生が集まって意見を交わす。また大学側が卒業生を招いて、学生時代の学びや経験を社会でどう生かしているかを在校生に本音で語る場も提供している。課外活動も盛んで、「1パーソン 1サークル」を合言葉に学生への参加を促しているという。
ゼミやサークル、ボランティアなどの「組織」に所属することで、自身の役割をまっとうするために周囲の人たちと円滑な意思疎通をどのように図っていくかを考え、身を持って学んでいくというわけだ。先輩後輩や教育、卒業生との日々の活発な交流が、「コミュ力1位」の基礎となっている。