「教えない教育」で大学生が激変 「コミュニケーション苦手」が吹き飛んだ3つの理由

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自分達で決めた商品のプレゼンを

「ターゲットはどうする?」「売上はこのくらいだよね」「アピールポイントはここだよね」

という具合に社会人顔負けの議論をしていました。

   そして自分達で決めた商品のプレゼンをやってもらい、欲しいと思った人は手を上げるということをやりました。私は客観的に見ていて「短時間でよくここまで出来たものだな」と感心しながら見ていました。

楽しそうで積極的
楽しそうで積極的

   大学の職員の方も「あの子があんなにイキイキとしているなんて!凄く変わった」と驚いていました。

   会社の疑似体験をして商品のプレゼンをするということは、社会人が研修でやってもおかしくない内容です。それを彼らは楽しそうに積極的に取り組んでおり、そこには世間で抱いているゆとり世代のマイナスイメージはありませんでした。

   対人コミュニケーションも苦手、勉強もどちらかというとそんなに好きではないという彼らが、わずか2か月でなぜでこんなに変わっていったのか?

   それには3つの理由があります。

(1)相手を否定しない
   まず学生が言っていることを否定せず、受け止めるということをやっています。
   学生の中には的外れなことを言ったり、自分だけが話し過ぎたりということもあります。
   普通だったら「それは違うね」と言ったり、「君は喋り過ぎだ!」注意したりすると思います。
   そういうことはせずにまずは話を聞き、周りのことも考えるように気づきを与えていきます。相手を否定しないということが大前提にあり、そうすることで彼らは話しやすくなるのだと思います。「ここは僕が話しても大丈夫な場所なんだ」と安心したのではないでしょうか。
(2)先輩が後輩を見守っている
   当時1年生だった学生が3年生になり、彼らもたまに参加してくれます。
   自分達も体験したことなので、後輩達を上手くフォローしてくれているようです。
   先輩風を吹かすわけでもなく、出しゃばるわけでもなく、後ろから見守るような感じになっています。先輩がお手本になってくれていることで助かっています。
(3)協力し合うという姿勢
   「自分で考えて行動する」に加えて、「チーム一丸となる」という意識を持つことが大事です。1回目の授業で、次回までにチームで考えてくるという課題を与えました。
   今回の授業までにみんなで集まって課題をやってきたようです。こうすることで仲間意識が芽生え、コミュニケーションを取ることができるようになっていったようです。

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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