自分達で決めた商品のプレゼンを
「ターゲットはどうする?」「売上はこのくらいだよね」「アピールポイントはここだよね」
という具合に社会人顔負けの議論をしていました。
そして自分達で決めた商品のプレゼンをやってもらい、欲しいと思った人は手を上げるということをやりました。私は客観的に見ていて「短時間でよくここまで出来たものだな」と感心しながら見ていました。
大学の職員の方も「あの子があんなにイキイキとしているなんて!凄く変わった」と驚いていました。
会社の疑似体験をして商品のプレゼンをするということは、社会人が研修でやってもおかしくない内容です。それを彼らは楽しそうに積極的に取り組んでおり、そこには世間で抱いているゆとり世代のマイナスイメージはありませんでした。
対人コミュニケーションも苦手、勉強もどちらかというとそんなに好きではないという彼らが、わずか2か月でなぜでこんなに変わっていったのか?
それには3つの理由があります。
(1)相手を否定しない
まず学生が言っていることを否定せず、受け止めるということをやっています。
学生の中には的外れなことを言ったり、自分だけが話し過ぎたりということもあります。
普通だったら「それは違うね」と言ったり、「君は喋り過ぎだ!」注意したりすると思います。
そういうことはせずにまずは話を聞き、周りのことも考えるように気づきを与えていきます。相手を否定しないということが大前提にあり、そうすることで彼らは話しやすくなるのだと思います。「ここは僕が話しても大丈夫な場所なんだ」と安心したのではないでしょうか。
(2)先輩が後輩を見守っている
当時1年生だった学生が3年生になり、彼らもたまに参加してくれます。
自分達も体験したことなので、後輩達を上手くフォローしてくれているようです。
先輩風を吹かすわけでもなく、出しゃばるわけでもなく、後ろから見守るような感じになっています。先輩がお手本になってくれていることで助かっています。
(3)協力し合うという姿勢
「自分で考えて行動する」に加えて、「チーム一丸となる」という意識を持つことが大事です。1回目の授業で、次回までにチームで考えてくるという課題を与えました。
今回の授業までにみんなで集まって課題をやってきたようです。こうすることで仲間意識が芽生え、コミュニケーションを取ることができるようになっていったようです。