世界最大の広告賞カンヌライオンズのウェブキャンペーン部門の受賞作品が発表された。3作品が最高賞の金賞に選ばれたが、その中でも日本でも話題になったある「ミュージックビデオ」を紹介したい。
洋楽に馴染みが無いひとはファレル・ウィリアムスという名前を聞いてもピンと来ないかもしれないが、彼の楽曲「Happy(ハッピー)」はどこかのBGMかなにかで耳にしたことがあるかもしれない。ミュージックビデオ「24 hours of Happy」は、この曲の存在をファレルのファンにとどまらず、世界中の洋楽ファンに知らしめ、シングルの売上に大きく貢献した。
グローバル版「恋するフォーチュンクッキー」
ビデオには、曲に合わせて踊るダンサーや子ども大人たちが出演している。その新しさは「The World's First 24 Hour Music Video」というサブタイトルにもある通り、曲と映像が24時間ループ再生し続けること。サイトを訪れるとその時刻に撮影された映像が再生され、曲の途中で他の任意の時刻を指定すると、その時刻に撮影された別の映像が曲の続きから再生される。24時間踊り続けているようにも見えるその様は、曲のタイトルである「Happy」感を上手く表現している。
このミュージックビデオはこれまでに1000万回以上再生され、その制作陣によるとビデオが公開されてからシングルの売上が1万4000%増になったという。さらに、このビデオに惹かれた世界中のファンたちが自主的に似たような映像を制作しYouTubeなどに投稿するというちょっと現象も引き起こした。グローバル版「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)といったところ。
24時間同じ曲がループされたらたまらないと思う人もいるかもしれない。それが不思議とこの曲なら居心地が良い。ミュージックビデオの表現もきっとそれを助けている。(岡徳之)