「年収1000万円以上がズラリ」のあの業界 「激務」だから、うらやましくはない?

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   「年収1000万円」の文字をニュースでよく見かけるようになった。労働時間ではなく、成果に応じた賃金を払う新制度案にからみ、今も報道が続いている。「首相『年収1000万円』 将来的引き下げに含み」(毎日新聞、2014年6月16日電子版)、「経産相、新たな労働制度『年収1000万円以上が対象』と強調」(日本経済新聞、6月17日電子版)といった具合だ。

   「年収1000万円以上の従業員」といえば、マスコミや商社を連想する人が以前から多いようで、ツイッターでも「年収1000万円収入ある社員は、マスコミとかじゃね?」「商社なら30代で1000万円いくもんね」といったつぶやきが見受けられる。

マスコミ、商社以外からトップ10入りした企業

   実際のところどうなのか。そもそも、年収1000万円を超える給与所得者は、「民間給与実態統計調査」(国税庁)によると、2012年分の数値で、全体の3.8%(男性5.8%、女性0.8%)となっている。

   たとえば、東洋経済オンラインが2014年5月10日に紹介した、「『就職四季報』総合版の平均年収ランキング」のトップ10をみると、1位の日本テレビ放送網(1425.9万円、平均年齢41.8歳)などマスコミが5社入っている。商社は、2位の三菱商事(1413万円、同42.9歳)以下、4社がランクイン。

   マスコミの5社中、4社はテレビで、新聞社では朝日新聞が9位(1287万円、同42.4歳)が唯一入っている。商社では、4位三井物産、5位住友商事など著名企業の名前が並んでいる。

   ツイッターでは、今回の制度見直しに批判的なマスコミもあることから、「年収1000万円以上」の自分たちが困るから反対しているのでは?といったニュアンスのからかいも見受けられるが、年収1000万円といえば、

「年収1000万円を超える仕事って、基本的に激務なので(略)」
「大学同期を見ると、年収1000万円超えると仕事も激務なので独身(略)」

といった「激務」イメージが従前から強いようだ。

   さて、先のランキングでマスコミと商社が9社を占めるなか、それ以外で唯一トップ10入りしたのは6位「キーエンス」(電子部品・機器)。平均年齢34.4歳にして平均年収1322万円!馴染みがない、という人もいるかもしれないが、以前から「高給」で知られており、2014年3月期の「自己資本比率が93.3%(連結)という優良企業だ。

   マスコミや商社と同様、同社も「高給」だけでなく、「激務」のイメージがあるようだ。同社の「激務ぶり」を伝えるネット上などの指摘を読むと、真偽不明のものもあるが、なかなかの激務のようで、やはりトップ10入りするだけのことはあるようだ。 (NF)

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