MBAで学んだ人生哲学 「変化」を恐れず「進化」促すリーダーシップとは

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コミュニケーションのやり方は変わっても、コアスキルは変わらない

   三つめは「万国共通のコアスキル」。GM初の女性CEOに就任したMary Barraの卒業式でのスピーチが印象的でした。

「コミュニケーションのやり方は変わった。このスピーチの間にも皆写真やビデオを撮ってSNSで世界と共有しているし、私にも分からない『3文字熟語』が日々生まれている。OMG (Oh My God)!でもLeadership、Teamwork、Critical thinkingといった根源的に重要なスキルは変わっていない。ここで学んだそうしたコアスキルをキャリアで存分に発揮してほしい」

   コミュニケーションの壁さえ乗り越えれば(もちろんここが一番難しい)、多少文化は違えどアメリカでもアジアでもヨーロッパでもアフリカでも同じ人間。アメリカに来る前は日本との「違い」ばかり気にしていましたが、お互いを深く理解し、協働して何かを創りあげる、そのために必要な「コアスキル」というのは一緒だな、と。

   私事になりますが、2013年1月、自転車に乗っていたところをピックアップトラックにはねられました。幸い右足のすねの裏の骨が一本折れただけで命に別条はなかったのですが、1か月の松葉づえ生活を強いられました。それまでも「アメリカ人、意外と優しい」と思っていたのですが、このときの周囲のサポートを通じて世界共通のヒューマニティを実感したものです。

   ミシガン大学は、学び、進化するための場所としては最適なところでした。MBAだけでなく学部からロースクール・メディカルスクール等のプロフェッショナルスクールまで幅広い強みを持ち、卒業生にもGoogleの創業者であるLarry Page、「iPodの父」と言われるTony Fadell、Twitterの現CEOであるDick Costoloなど大物がズラリ。今後は日本でのミシガン大学のプレゼンス向上という形で恩返ししていきます。

   累計5万字を超えるこの連載を通じて、MBAで学んだことを発信してきました。皆さんに何らかの「気づき」を与えられていれば、これ以上の幸せはありません。また、留学を支えてくれた家族、同級生、MBA仲間、仕事関係の皆さん、そしてお声掛けいただいたJキャストニュースの皆さんにこの場を借りて感謝したいと思います。最後に、MBAで聞いた一番好きな言葉を。

「Challenge the status quo! (現状を打破せよ!)」

(室健)

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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