リーダーシップとチームワークは表裏一体
二つめは「リーダーシップとチームワークの考え方」です。「それぞれが自分の強みを活かしたリーダーシップを発揮できるチームは強い」というのがミシガン大学MBAでの捉え方。ともすれば、「リーダー=良くも悪くもチームを引っ張る人」と「メンバー=リーダーを支える人」、もしくは「リーダー=雑用係」と「メンバー=各自の分担をこなす人」に分けてしまいがちです。やることが明確になっているルーチンの仕事ならこれでもうまく行くことがあるでしょう。
しかし、これからのビジネスでは「一見答えのない問題をクリエイティブに解決すること」が求められます。そのときに参考になるのが「リーダーシップとチームワークは表裏一体」という考え方。「船頭多くして船山に登る」ではなくて、それぞれが「チーム」というパズルを埋めるための「自分ができること」を見出して共創していくやり方です。
MBAでは実社会と違って、同じ学生同士、ヒエラルキーのないチームでプロジェクトに取り組むのですが、ここに学びのヒントがあります。誰がリーダーか明確に決まっていない状態でチームが始まる。ヒエラルキーのある組織だったら起きないかもしれないガチのぶつかり合いがある。最初は英語力不足もあって議論に入れなかったのですが、慣れてくると「ここで自分が果たせる役割は何か」「この状況で何をしたらチームがドライブするか」ということを無意識に考えることになりました。
サッカーで言う「個の力」を組み合わせた組織力と言い換えられるかも知れません。「個の力」を上げるためにも、海外で仕事や勉強をする人は、「自分をどうブランディングするか」を考えてみるといいのではないでしょうか。日本ではどう見ても「しゃべりたがり」な私が、海外では「Kenは寡黙だけど熟考したうえで発言しているよね」と言われてしまうくらいなので(笑)、「あいつ目立っちゃってさ」なんていう批判は心配ご無用。「幽学生」「壁の花」になってしまうよりは、やりすぎくらいがちょうどいい。