距離を近づけたうえで、「大人の道理」の説明を
さて、若手社員は、しきりに「自分の将来のあるべき姿」とか「こういう道に進みたい」といった将来像を口にします。そして、将来像を実現するために組織や先輩社員は支援してくれると決めつけています。この価値観もミドル先輩社員とは大分ずれがあるのではないでしょうか。自分の将来は自分で切り開くもの。周囲は何か支援してくれるなんて甘い考え方は許されなかったはず。
もちろん、組織の先輩社員は若手社員を指導・育成するものです。ただ、やって当たり前と捉えられると「ふざけるな」と感じてしまうもの。ここは、先輩社員が大人になって若手社員に対峙しなければなりません。まずは、将来に対する不安を言い続ける理由を聞いてみてはどうでしょうか?その際に先輩社員として過去を振り返って、自分も将来に対して不安を感じた体験があれば伝えてください。あくまで若手社員が共感できるような「自分も同じように不安を感じたことがあるよ、例えば…」と具体的なエピソードを紹介してみてはどうでしょうか。間違っても、武勇伝は御法度。さて、お互いが共感できた状態になってからが本題。お互いの距離を近づけたうえで、組織がどういうロジックで動いているものなのか、「大人の道理」を説明しましょう。(高城幸司)