2014年6月現在、大学・大学院の学生の就職活動状況は、「売り手市場の様相」との指摘も出るほどの勢いを見せている。「人手不足」を報じるニュースも相次いでおり、来春新卒予定者以外の就活にも影響を与えそうだ。
そんな「活況」をしり目に、いまひとつ流れに乗れていない……というよりも、現在の「就活」に違和感をもつ就活生・者も結構いるようだ。
型破りな若者を採用したい企業
昨今の就活といえば、入念な「自己分析」を経たうえで、企業受けする「ES(エントリーシート)書き」に励んで……といったキーワードをよく目にする。一方で、いくら自己分析をしたところで、「自分に合った企業」のイメージは湧かず、結局、企業受けしそうな(とネットなどに書いている)内容を「作文」している、といった傾向も見受けられる。
比較的最近のツイッターを見ても、
「皆同じリクルートスーツに化粧に黒髪の就活に違和感を持つ方」
に勧めたい記事を見つけたというつぶやきや、就活を2回やり、さらには就活支援も経験したという人が、
「やっぱり就活っておかしい!」
として、就活への違和感を描いたアニメーション動画を紹介するツイートなどが並んでいる。
就活の当事者だけではなく、周囲の大人でも同様のことをつぶやく人もおり、学生と飲みながら就活について話を聞いた感想として、
「(略)思うのは、(略)精神的な負担への同情…というか違和感」
と指摘している。
就活サイトの中には、そんな違和感を持つ若者に対象を絞ったものもある。「就活アウトロー採用」サイトで、2014年版によると、29歳までの就職経験のない既卒者、ブラック企業を辞めた第二新卒、そしてニートなど今の日本ではマージナルな若者らを対象に、エントリーシートの提出を求めず、企業説明会も、服装規定もない就活を支援する、としている。
具体的には、ワークショップや様々なセッションを運営し、型破りな若者を採用したい企業との間でマッチングを取り持つなどの就活支援活動を行うのだそうだ。サイトでは「リクルートスーツで個性ウンヌンとか、気持ち悪いんすけど」などと、若者が語る場面が再現されてもいる。
同サイトを運営するのは、NPO法人「キャリア解放区」で、プロデューサーで仕掛人には慶応大学特任助教の若新雄純氏の名も。運営側は、通常の就活から外れた若者らの中に高い可能性を見出しており、新たな形の就活を支援することで、既存の画一的な就活に風穴を開けたいと目論む。
同サイトについて、ツイッターでは、
「普通にいいなと思った。もっと広まればいいのに。なんだよ、就活って。仮面被って真面目なフリして綺麗な答え求められて」
「これはいいかも。就活もいろんなニーズにマッチするものがでてきたねー!!」
など期待感が表れたコメントも多く見受けられた。
中には、
「おもしろいけど、これも根本的な解決にはならない。納得のいく就職が決まるのは(一部の)『優秀なアウトロー』(だけ)だ」
といった声もあった。
ちなみに、同サイトでは「普通に就活中の新4年生(修士2年生)は対象外」で、就職留年組などは要相談だそうだ。(NF)