「保守本が盛況」を嗤(わら)う 「なんちゃって保守」の本質は左翼だ

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より豊かに、そして正しい保守になるための唯一の方法


   そういう意味では、石原新党の政策はいいリトマス試験紙になるだろう。憲法改正やら中国への強硬姿勢やらでだいぶぼやけているけれども、実は石原さん自身は常に改革には前向きだし、なんとかして与党の中枢に復帰したいというがっついた野望を持った政治家だ。


   何より石原さんは努力不足のくれくれ庶民が大嫌いなタイプなので、上記のような『なんちゃって保守』は一顧だにせず切り捨てるに違いない。議員時代からの一貫した移民受け入れ発言からもわかるように、「日本人だから大事にする」のではなく「優秀で国のために役に立つ人間が日本人であるべき」くらいのスタンスだろう。でも、筆者はそうした政策が広汎な支持を得るとはちょっと思えない。


   というわけで、保守が一大ブームになることは今後もなくて、一部の進歩的な保守主義者の周囲で、保守でもリベラルでもない奇妙な人たちがええじゃないかを踊り続けるという状況が今後も続くことだろう。


   だいたい、実社会でも「あなたは本当に素晴らしい、だから楽して儲かる方法を教えてあげますよ」なんて言ってくるのは詐欺師と相場が決まっている。ええじゃないかを踊っている暇があったら、勉強してもっと好条件の仕事に転職すること。恐らくそれが豊かになるための、そして正しい保守になるための唯一の近道だろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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