「お母さんが『リケジョは貴重だよ~』って…」 「全入時代」で多様化する入学動機

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決して「進学率高すぎぃ~」という状況ではない

   さて、では現在の大学生は?というと、1955年の高校進学率がおおよそ50%であることから推測すればお祖父ちゃん世代が高校に進学するぐらいの感覚か、とまでは言い過ぎかもしれないが、昔に比べて大学入学の敷居がものすごく低くなったのは事実であろう。ところで、50%程度の大学進学率は他の先進国と比べて高すぎるわけではない。むしろ低いというデータもある。国によって大学の制度が違うし、統計の取り方も統一されていないので一概に大小の比較は難しいので目安程度ではあるが、2010年においてアメリカの大学進学率は75%程度だし、お隣の韓国でも70%程度である。日本も決して「進学率高すぎぃ~」という状況ではない。

   まあでも「勉強」を愛してやまない向学心にあふれた人だけが大学に進学する時代ではなくなった事は事実である。「とりあえず」とまでは言わないが、比較的お気楽に大学に進学してしまった学生もポチポチと見受けられるようである。

   なるほどね、入学動機も多様化するし、やりたい事や将来の夢も異なるわけだ。なかなか大学生の育てがいがある時代である……(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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