職場の「クインビー(女王蜂)」が「若い子」をつぶす?

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クインビー症候群の女性が「男社会」を批判しないワケ

   クインビー症候群の女性たちは、「男が女を評価する」社会の中で、努力してのし上がってきました。いわば、男性的な価値観を身につけた「名誉男性」。なので、女性の多くが実感する仕事上の悩みも「努力で何とかすべき」と考えがちのようです。自分をこのポジションにまで引き上げてくれた男社会のルールを、維持したいとすら思っているのかもしれません。

   なぜなら、「男社会」を批判すると、「そのルールにしたがって成功した自分自身の生き方を否定してしまう」からです。

   女性政治家の中には、「男は男らしく、女は女らしく」と発言する人が結構いる印象です。これも「自分が育った男社会を批判したくない」との思いが底流にあるように私には見えてしまいますが、どうでしょうか。日本の女性議員比率は10%程度で、たとえば衆院で約8%、都道府県議で約9%と、けっして高くありません(内閣府男女共同参画局資料など)。そこで成功するのに、男性とぶつかるのは得策ではないでしょう。彼女たちの発言が仮に「男性中心社会」の価値観に基づいたものであるとすれば、「多くの女性が働きやすい環境づくり」への道のりは、なかなか険しいのかもしれません。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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