メディア掲載のカギを握る 「仕掛け・仕込み」はこう考える

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パートナー選びで打った「仕掛け」

   一方、A・M・S(東京都千代田区)は、日本の医薬品や医療施設をミャンマーに輸出するに当たり、パートナー選びで仕掛けを打った。ミャンマーの有力企業であるZMHユニバーサルトレーディング(ヤンゴン市)と折半出資の合弁会社「ZMHヘルスケア」を現地に設立、このほど業務を始めた。このZMHユニバーサルトレーディングは和光堂の粉ミルク・ベビー用品、大王製紙の紙おむつ、伊藤園のお茶などを輸入販売しており、日本側は三五九グループ国際ジャパン(東京都新宿区)が受け持っている。三五九グループ国際ジャパンのマウン・バニャーゾー社長と、ZMHユニバーサルトレーディングのティンリンゾー社長は兄弟であることから、このミャンマー人の兄弟と信頼関係を構築し、合弁会社設立に至ったわけだ。

   ミャンマーの医薬品市場には未承認薬、偽医薬品が数多く出回り、日本の医薬品は一部メーカーの製品が他のアジア拠点経由で販売されているものの、まだこれからの段階。健診センターについても、日本の医療機関は進出していないという。合弁会社は、日本の医薬品の現地における承認・申請・販売業務や、日本人医師の支援によるクリニック・病院の運営、健診センター設立などを行うが、信頼できるパートナーがいなければ事業そのものが進まない。合弁会社に早くも製薬会社4社から引き合いが寄せられ、日本の医療機関が現地視察を進めているのは、パートナー選定に成功したことが大きい。

   パートナー選定の仕掛けと、ミャンマーのヘルスケア産業への貢献が認められて、合弁会社設立の記事は日経産業新聞(14年5月9日)が掲載した。メディアから見て中小企業は、大企業ほどの信頼性がないだけに、ニュースリリースの裏付けとなる人脈・データや話題性が求められる。そのための仕掛け、仕込みがメディア掲載のカギを握る。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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