「お前のための補習だろっ!!」の気持ちをグッと抑え…
いま大学では、新入生の学力の2極化が大きな問題となっている。学力の十分な学生には見合った「大学の教育」をしないといけないし、不足している学生には早急に基礎力を付けさせて「大学の教育」を受けられる状況にする必要がある。
算数も理解できていない学生は手強い存在であるが、単位外の補習や講師を配置した勉強部屋を設置するなど、試行錯誤しながら対応を図っている状況である。まあ、えてして学力不足の学生に限ってプライドが高く、単位にならない中高レベルの補習は受けたがらなかったりする。「お前のための補習だろっ!!」と怒鳴りたくなる気持ちをグッと抑え、仏様のような広い心で優しく指導を行っている。
なお、著者は「最近の学生は…」とか「最近の若い奴らは…」という若者に対する「マイナスの意識」は持っていない。現在の若者に問題があるのなら、その制度を作り、教育を行った親世代に責任があるのであろう。さらに、その親世代に問題があることの責任は、親の親世代に……といくらでも遡れる。「若者」に責任転嫁するのはお門違いである。
この連載では、最近良く耳にする「大学生の学力低下」の問題や「教育再生」を考える一助になるように、『未来の企業人』でもある現在の大学生の生態やその育成を担う最近の大学事情について紹介していきたいと思う。(プロフェッサーXYZ)