先日、8月11日を「山の日」として国民の祝日に定める改正祝日法が成立し、2016年から施行されることになった。8月に祝日ができるのは初めて。
これで、1年のうちで祝日がない月は6月だけとなり、「唯一の祝日ゼロ」の月として不名誉(?)な注目を集めることになってしまった。
有休を消化して自分だけの祝日を
その6月をどうすれば楽しく乗り切ることができるのか。Q&Aサイト「OKWave」には、「乗り切り法」についてアドバイスを求める質問が寄せられていた(2014年5月13日)。回答には「自分だけの祝日を作って、仕事休みましょう」という声や「有休消化」との提案が投稿されている。
「有給休暇を消化して自分だけの祝日を作る」なんてなかなか素敵なアイデアだ。「唯一の祝日ゼロ」6月だからこそ、積極的に有休をとりましょう、というのは悪くない。
だが、実際のところ、そこまで自由に有休を取ることができる人は、どれくらいいるのだろうか?
ネット上では、有休をなかなかとらせてもらえない、という悩み・不満が多く書き込まれている。
「Yahoo知恵袋」を見ると、有休を届け出る時にその申請理由として「私用」と記入したところ、「誰とどうするか迄記入しなさいと認めてもらえませんでした」という投稿(2014年5月23日)や、有休を取得すると「立場や評価が悪くなり給料や賞与、退職金にまで影響が出る」ような会社があることを報告する書き込みもある(2013年6月28日)。
有休消化は、付与分の半分以下
これらの質問の回答には、繁忙期などを避ける配慮は必要だが「労基法で決められた権利です」など、有休取得の法的な正当性を訴えるコメントが多く寄せられていた。
有休取得に対し、法律で決められていることだから会社ははっきりNOとは言わないが、(心理的なものも含め)高いハードルを設けているという実態が垣間見えてくる。
実際、有休取得率は高くない。厚生労働省の「就労条件総合調査」の結果をみると、2013年の年次有給休暇取得日数は平均で8.6日。付与された日数の平均は18.3日で、せっかく付与された休暇を半分も使っていない、もしくは使えていないのだ。
しかし、もし6月が「唯一の祝日ゼロの月」として注目を集めることで、「祝日がない月だから有休を積極的に取りましょう」というムードが高まることになれば、政府が掲げている「2020年までに取得率を70%に」という目標(2010年の新成長戦略)達成に向け一役買うことになるかもしれない。6月が「祝日がない憂鬱な月」という位置付けから、「大好きな月」へとイメージアップを図る日は近い?(RH)