「社会性と独自性」でメディア掲載 アジア不動産サイトやサイト売買仲介に注目

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   中小企業の異業種交流会を展開している一般社団法人日本元気丸(東京都千代田区、花蜜伸行代表理事)のオフィシャル交流会に参加した。参加者は、筆者の想定を上回る180人。いろいろと話を聞いてみると、中小企業は皆、したたかに頑張っている。ただ、残念なのは広報意識が欠落している経営者が多いこと。

   ふだんメディアと接触していないし、接触の仕方も分からないことから、メディアに掲載されるとお金がかかる(広報と広告を混同)と思っている経営者の方もちらほらいた。そんな中で、30代の若手経営者が事業の社会性を磨き、他社にない特徴を打ち出して、メディア掲載に成功していた。紹介したい。

アジア各国の物件情報や投資判断をサポート

   長友佑樹氏は2012年6月、不動産業界に特化してWEBマーケティングを支援するマーサリー(横浜市西区)を設立、これを土台にしてアジア不動産メディア事業に乗り出すためエイリック(東京都中央区)を2013年11月に設立した。2014年4月にはアジア不動産情報ポータルサイト「ARIC」を開設し、日本最大級のアジア不動産ポータルサイトとして3年後には5000物件の情報掲載と5億円の売上高を見込んでいる。

   国土交通省の土地・建設産業局が2013年5月にまとめた海外投資家アンケート調査によると、アジア不動産市場は「市場の経済性や利回りが高く評価され、情報の充実度や市場の安定性が低い」と評価されている。このためエイリックは、中立的な立場で、アジア各国の物件情報や投資判断をサポートすることにより、投資の障害となっている「情報の不透明性」を解消し、情報不足を原因としたリスクを最小化できるような環境づくりに貢献したいと考えた。所有するスキルを生かして、何をすれば社会貢献でき、収益と両立させられるかを模索して、たどり着いたのがアジア不動産メディア事業だったわけである。

   さらに長友社長は、14年6月1日にカンボジア不動産研究会、6月14日にはタイ不動産研究会(予定)と、頻繁に専門家を招いたセミナーを開催し、購入と実務と注意点などを教えている。きめ細かなサポート体制を構築し、他社の追随を許さない戦略だ。アジア不動産ポータルサイト開設の記事は、日経産業新聞(14年4月10日)、日刊工業新聞が掲載した。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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