「仕事に対する厳しいプレッシャー」は、イコール「ブラック企業」なのか

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厳しさも含めて「分かって入る」

   米国アマゾン・ドット・コムの連結売上高は6兆円を超える大企業だが、その営業利益率はわずか1%程度。マイクロソフトの34%、アップルの28%などと比較すると極端に低いが、これは、利益の多くを新たな事業投資に回しているから、とも言え、やりたいことが実現できやすい会社とみることもできよう。

   元社員の言うとおり、その厳しさも含めて「分かって入る」ことができ、本人の志向にも合致するなら、同社は「その人にとってはいい会社」といえよう。もちろん、だからといってFT報道のような倉庫の労働環境が正当化されるわけではなく、正社員はホワイト待遇だが、非正規労働にはそのしわ寄せがきているのかもしれない。

   「それでもホワイト待遇の正社員なら関係ない」と同社を目指すか、「自分さえよければいいなんて平気な顔はしていられない」と同社を忌避するかはあなたの価値観次第だ。

   ところで、労働組合がベゾス氏を「従業員をロボットのように扱っている」と批判するなら、氏は本当に倉庫全部をロボット化してしまいかねない。その時、労働組合はなんと言うのだろう。(新田龍)

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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