出産しても大丈夫?「30歳の壁」を今から意識
Mさんの上司は50代。「女性の活用」に理解があるらしく、生え抜きの彼女に期待を寄せています。有名講師の勉強会に特別参加させてもらうなど、恵まれているとも感じる。やりがいもあるし、チラシ配りなどの作業にも身体が慣れてきました。でも、このまま働き続けられるのか、「30歳の壁」を意識するようになったといいます。
Mさんには、結婚を考えている1つ年上の彼氏がいます。ITベンチャーの営業職。互いに忙しく、結婚を言い出せる雰囲気ではありません。4年後には、自分も彼も30代。「将来的に30歳ぐらいまでには子供が欲しい。主婦になってバイト講師をするのもいいかなって思うけど、授業は夜が中心だし、子供ができたら厳しいかも」と語る彼女。
寿退社を夢見つつ、期待してくれる上司の顔がちらつきます。「30歳までの期間限定」で働くことには、罪悪感もある。かといって上司も、裏では私のことを「どうせ数年後には辞めるだろう」と思っているかもしれない……。
夜間の授業が中心の塾講師が、出産後も同じように働き続けるのは難しいのです。「一生続けられる仕事が欲しい」と続けるMさん。「上司の期待」と「30歳の壁」の間で揺れながら、今日も教壇に立っています。(北条かや)