生意気な「勘違い」若手社員、実は素直だった 上司・先輩が注意しない風潮の被害者?

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「言ってもらって良かったです。ありがとうございました」

   すると一瞬にして顔つきが変わり、大人しくなってしまいました。

   研修が終わってから、私のもとに数人が質問や相談に来ていました。

   なんとA君もいるではないですか!

「言われたこと当たってます。僕は先輩に良く思われてません。このままではダメだということは分かっているのですが、どうしたらいいか分からないんです。僕はどうしたらいいんでしょうか?」

   生意気だと言われていたA君が聞いてきたのです。

   私は彼の様子を見ていて素直な一面があることに気づきました。

   そこで彼にこう言ったのです。

「君の良いところは素直さなんだぞ。強がるな。知ったかぶりをするな。分からないことは分からないと言って教えてもらうといいよ。そうすると先輩は面倒見てくれるよ」
「分かりました。やってみます。言ってもらって良かったです。ありがとうございました」

と言って帰って行きました。

   生意気そうな若手社員の中には、このように思っている人もいるわけです。

   その後A君は今までの行動を改めて、頑張って働いているらしいです。

   A君がなぜ1回しか会ったことがない男に相談してきたのか?

   それは私が

「この人の言うことは聞いてみよう」と思われる存在になったこと

だと思います。人が他人の意見に耳を傾けるのは信頼した人、尊敬している人です。

   若手社員から信頼・尊敬されるにはどうしたらいいかということは、次回お伝えしたいと思います。(野崎大輔)

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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