生意気な「勘違い」若手社員、実は素直だった 上司・先輩が注意しない風潮の被害者?

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「最近の若いヤツは仕事もできないくせに口ばかり達者で生意気だ!」

   会社ではこんなことを思っている人も多いのではないでしょうか。

   今は便利なIT機器がたくさんあるし、情報もネットで手軽に入手できるのでいろいろなことを知ることができます。知らないことでも、Googleやyahooで検索すればある程度は知ることができます。だから年齢差に関係なく、いろいろなことを知ることはできます。

「注意したらパワハラと言われるから、しない」

注意は大切!?
注意は大切!?

   知識レベルで言えばひょっとしたら、今の若い人の方がいろいろ知っているかもしれませんね。でもその弊害で「自分は何でも知っているからできるのだ!」と勘違いしている人がいるのも事実です。

   前置きが長くなりましたが本題に入ります。

   私は若手社員向けの研修をやらせていただく際、人事の方と研修の事前打合せをして状況をいろいろ聞きます。

「A君はたいして仕事はできないのですが、自分はできると勘違いして生意気らしいです。
   だから先輩によく思われていないようです」

   周りの人がA君に注意することもないので本人も気づかない……

   会社でこのようなケースはけっこうあるようです。上司や先輩は、ちょっと厄介そうな輩には関わらずに放っておくということです。人に無関心ということもありますが、「注意したらパワハラと言われるから、しない」という要素が大きいようです。

   ここではパワハラの詳細を説明しませんが、改善点を指摘するくらいは注意指導の一環であり、上司の責務でしょう。放っておく方が良くないのです。

   他にも何人かの話を聞きましたが、彼が一番気になったので、研修中や休み時間にさりげなく観察していると、同期の中ではリーダーのような存在だということが分かりました。

「あの口のきき方や態度で目上の人と接していたら、そりゃ生意気と思われるよな。
   このままだと上司から相手にされずに干されて嫌になって辞めるだろうな」

と思った私は、研修中にタイミングを見計らって彼にこう言いました。

「君、先輩と上手くいっていないだろう。このままだと会社で働きにくくなるぞ。
   活躍できる良いモノ持ってるのにもったいないな」

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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