日本に上陸して数十年の歴史を持ち、すっかり日本ローカル化したある外資系金融間が、外国人「ターミネーター(とどめを刺す者)幹部」の登場により、部下と上司がひっくり返る人事、それにより元上司の給料が激減していること、さらにデキが悪いとみなされたヒラ社員を村八分にするお達しが回っていることなどは、先週お伝えした通りだ。
似たような話は、まだまだある。
ある、米系企業では、最近、とんでもない人事が社員の話題になったそうだ。
外資で働く日本勢は、どうサバイブすべきなのか?
同社に10年以上勤めるSEの石橋道行氏(仮名)が話す。
「ある人事系部門に、アメリカ人女性幹部がアメリカ本社から『上陸』。人材教育のやり方を本社流に一変すると乗り込んできた。
そこで、彼女がまず行ったのが、部員の総とっかえ。10年以上、同部署に勤めてきたベテランも、『日本流の色が付きすぎている』との理由で、あっけなく飛ばされ、彼女が本社から連れてきた、あるいは日本で見繕った人にすげ替えられたんです。
ベテラン勢は、どこにいったか? 同じく管理部門の閑職に追いやられた人もいますが、多くは辞めていったそうです」
ちなみに、このアメリカ人女性幹部が部下に、「あなたの今後のキャリアについてお話ししましょう」と話しかけて来たら、要注意なんだそうだ。
「お人よしの部下の1人は、『この人、随分部下思いで、話が分かりそうだな。今後はこんな仕事がやってみたいんだけど、その相談でもしてみるか』と思ったそうです。ところが、『今後のキャリア相談』とは何のことはない、『アナタの将来の可能性は、もしかしたら他社にあるんじゃない?』という厄介払いの相談だったみたい」(同)
外資系のグローバル化とは即ち、本社勢の占領ということなのか――。
外資で働く日本勢は、どうサバイブすべきなのか?
石橋氏によると、それは「本社勢のサポーターになること」、あるいは「日本のグローバルタレントのイヌになること」だと言う。
一体、どういうことか?(佐藤留美)