かつて会社は「お見合い」の場だった? 社内結婚が復権する日は来るか

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「頼りがいのある人と結婚したい」けど……

   派遣の女性は、1年や半年という短期契約も珍しくありません。コミュニケーションが苦手な男性は特に、その女性が勤務するわずかな間に恋愛対象として好きになること、ましてや「口説く」ことは難しいでしょう。今や男性も、2割弱は非正規雇用。収入が安定しないので結婚は考えられない、という人が増加しています。

   非正規の女性(や男性)が増える一方、総合職女子もずいぶん増えてきました。ところが、「同僚の総合職女子は恋愛対象にならない」という男性も、意外と多いのです。女性が仕事で上を目指せば目指すほど、恋愛対象からは遠ざかってしまう。そんな現実も、一部にはあるようです。

   女性にとっても、同僚の男性はかつてほど魅力的に映りません。「頼りがいのある人と結婚したい」と言う女子は多いのですが、20代で一人暮らしの女性の可処分所得はすでに、同世代の男性を上回っています(総務省統計局、2009年全国消費実態調査)。女性たちの「頼りがい」レベルは、以前よりも上がっていると言わざるをえない。

   極端な話ですが、時計の針を昔に戻せば、結婚できる男女は増えるかもしれません。会社では一般職を増やし、男性社員との年収格差を大きくする。「男は外、女は内」というように、仕事内容を男女ではっきり分ける。そうすれば、未婚率は下がる可能性があります。まあ、それが本当に「幸せ」かどうかは、分かりませんが。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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