同じ条件でも、「和民」だと応募は「40分の1」
日経新聞の記事ではワタミの人材採用にも触れており、興味深い記述があった。桑原社長によると、居酒屋の店数の9割が「和民」「わたみん家」が占めている。現状で料理の専門性を高めた店舗は1割程度だが、和民からの切り替えを含めて4割に引き上げるという。これが「人材確保にも利点がある」というのだ。
名古屋で、同社がレストラン&バーのアルバイト70人を募集したところ、200人が応募してきた。ところが「同じ条件で和民が募集しても残念ながら3~5人」というのだ。理由は書かれていないが、文脈からすると「わたみ」という語句が店についていると、アルバイトが敬遠しがちになるとも読み取れる。「わたみ」についたイメージは簡単に払しょくできないと、経営陣も思っているのかもしれない。
ただし、記者から「『ブラック企業』とも呼ばれていますが」と問われると、「大声で『ブラックじゃない』と叫びたい」と強調し、「ひとつひとつ手を打ち、実態で示す」と話した。創業者の渡辺氏もことあるごとに「ブラック企業」と呼ばれることに反論してきた。「理念集」の次の一手が注目される。