「9ブロック」低評価組を待つ「地獄の研修」 通称「加圧トレーニング」の恐るべき実態

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   GEの完全なパクリ、9ブロックの導入により、日本にすっかり溶け込んだ外資系企業の評価基準がガラリと変わってしまったことは先日お伝えした通りだ。

   では、9ブロックのせいで低評価が付いてしまった日本人社員に、どのような「お仕置き」が待ち構えるのか?

人事部のトレーニング担当に凄まじい圧を掛けられる

そのトレーニングじゃなくて…
そのトレーニングじゃなくて…

   外資系IT企業セールスマネージャーの佐久間健司氏(仮名)は、「通称『加圧トレーニング』が待っている」と指摘する。

   といっても、芸能人などセレブがよくやっているあのダイエット用のトレーニングのことでは、もちろんない。

「人事部のトレーニング担当に凄まじい圧を掛けられる、地獄の研修のことです」(佐久間氏)

   たとえば、英語がイマイチ流暢でない人は、ビジネス英会話学校に通うように誘導されるという。

「数十万円かかる費用のうち数万円は会社が出してくれますが、残りはもちろん自腹です」(同)

   激務と英語学校通いを必死で両立させた後も、試練は続く。

「1か月に1回くらい、人事から何番会議室に行くようにと呼び出されるんです。そこで、待ち受けるのはナゾの香港人(笑)。その人がいきなり『ハ~イ! ハウ アバウト ユア イングリッシュ スタディ?』とか話しかけてくるんです。要は、英語面接によりその人の英語の上達具合をチェックしてくる。上達具合が手ぬるいようならさらに『加圧』するんです」(同)

研修態度を逐一チェック、笑おうものなら…

   想像したくない光景だ。しかし、こんなのは、まだまだ手ぬるい、そうだ。

   営業なら営業、開発なら開発で各自の専門性を鍛えるトレーニングが用意される。


別にそのくらいいいではないかという気がするが……。
「今までの営業研修と言えば、もちろん日本人社員向けの日本語によるものでした。ところが、グローバル化が進み、評価体系が9ブロックになって以降は、ワールドワイドの全オフィス共通のグローバル仕様に一変しました。ファシリテーション(会議などでの交流・参加支援)の強化研修なんかすごいですよ。黒人のジョナサンが白人のリンダのグループを仕切る画像が出てきたりするんだけど、日本人の僕らにとっては違和感あり過ぎてなんのことだかサッパリ(笑)。アメリカンコミック(漫画)を見ているみたいでバカバカしいったらありゃしない」(同)

   だが、あほらしいからスルーしておけ……では済まない。

   なんと、講師と同道する人事担当者から研修を受ける態度が逐一チェックされ、笑おうものなら、評価にさらにバッテンがつくという。

   そして、研修を受ける態度も悪いと判断されると、さらなる『加圧』が待っているというのだ。(佐藤留美、以下次号)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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