フェイスブックを活用し顕著な成果を残した企業のキャンペーンを表彰する、米Facebook社主催のイベント「Facebook Studio Awards 2014」が開催され、その結果が発表された。
今回は、その中で日系の企業としては唯一受賞した「トヨタ自動車ノルウェー」のキャンペーンを紹介したい。ちなみに同社が受賞したのは金賞で、最高賞はフェイスブックの色にちなんだBlue Award(青)である。
FB上の知人の中からオーナーを探せる機能も
トヨタ自動車ノルウェーは、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティー向上の双方を、効率的に行いたいという課題を持っていた。一見相反しそうな二つの課題だが、同社はそれらを同時に解決するアイデアを着想した。
キャンペーン名は「Try My Hybrid」。まず、トヨタの電気自動車プリウスの所有者(オーナー)の中から、自分のクルマを試乗に使ってもよいひとをボランティアで募集。続いて、プリウスに試乗したい人を募り、オーナーと引き合わせ一緒にドライブしてもらうというもの。
試乗したい人を募るために、トヨタはオーナーたちに協力を呼びかけ、彼ら自身が出演するポスター広告を作成し、街中の看板などに掲出。さらに専用のウェブサイトを制作し、フェイスブック上の知人の中からオーナーを探せる機能などを盛り込んだ。
実現した試乗の様子は、同乗したスタッフが撮影し、その映像はウェブサイトで公開された。映像を見るかぎり、プリウスを貸しているオーナーは楽しそうな表情で自分のクルマの魅力を語っているようだ。
結果、キャンペーンウェブサイトの訪問者数は15万人、動画の再生回数は190万回に上り、アンケートに答えたノルウェー人の3分の1がこのキャンペーンを覚えていると回答した。
オーナーにとっても自分の好きなプリウスのよさを誰かと共有できるのは嬉しい体験だったのかもしれない。フェイスブックと相性がいいのもうなずける。(岡徳之)