介護施設などで働く人の月額の賃金が、全産業の平均と比べて約9万円低いことが、労働組合の中央組織・全国労働組合総連合(全労連)の「介護施設で働く労働者のアンケート調査(中間報告)」でわかった。全労連が2014年4月25日、発表した。介護労働者は全労働者平均の約7割弱しか収入を得ていないことがわかり、深刻な格差といえる。
調査によると、正職員の2013年10月の賃金は20万7795円と、厚生労働省が調べた、全産業の平均の29万5700円を、約8万8000円下回った。
また、女性労働者が低賃金に陥っており、男女差別構造が存在していることがうかがえるほか、介護労働者の賃金の地域間格差が大きいことも明らかになった。
サービス残業も、6割が「ある」と答えた。「1時間以上」の恒常的な残業が2割近くあること、月「10時間以上」のサービス残業を強いられている人が2割強もある。休日や休憩、仮眠などの取得でも高水準で管理されている傾向があるのに、「まったくとれない」が2割にのぼり、人手不足が蔓延し、深刻な状態にあることがうかがえる。
一方、残業代の不払いもみられたという。「低賃金で長時間労働」の実態が浮き彫りになった。
なお調査は、2013年11月~14年2月、特別養護老人ホームなど介護の現場で働く人を対象に実施し、6369人から回答を得た。