ちょうど1年前の今頃、2013年5月に私は、中国で行なわれている世界最大の見本市「広州交易会」についての記事を書きました。
「中国・広州交易会には『日本の会社で雇われる』以外の生き方が転がっている」
この記事で、一緒に行った起業家の方の
「自分は、今やっている事業が全部潰れても、広州交易会に来て売る物を探せば、いつでもやりなおせると思っている。コンビニで深夜バイトして20万稼いで、ここに来ればいつでも復活できるという確信があるから、あまり怖い物はないですね」
という発言を紹介しました。
今回は、この起業家の方が、1年間で広州交易会からどのようにビジネスを発展させたかをご紹介します。
引き戸に取り付けるだけで簡単に自動ドアに
このことを書こうと思ったのは、日経トレンディネットの「ヒットの芽」というコーナーで、このような記事を見つけたからです。
「豪州発・家庭用自動ドアキットが日本初上陸で話題」(4月8日配信)
この家庭用自動ドアキット、オートスライドというのは、まさに我々が広州交易会で見つけたモノなのです。
これは、引き戸に取り付けるだけで簡単に自動ドアにすることができるツールです。現地で最初に見たときに「日本は引き戸が多いから便利じゃね?」「高齢者施設とかにも需要はあるかも」と話していました。
そして、起業家の方は、その場で早速オーストラリア人の展示員と交渉スタート。サンプルとして数個を日本に送ってもらう手はずを整えていました。
実際に自分で使ってみて有用性を確認したうえで、日本国内での独占販売権を獲得し、輸入開始。最初は少数発注してテスト販売を行ない、売れ行きが好調なのをみて、大量発注。Webサイトを作って販売しているわけです。
「やること」の大切さ
購買層を考慮して、シンプルなWebサイトにしたり、電話やFaxでの申込も受け付けたりするなど、細かな工夫をしているところもさすがです。
実は、私も広州交易会に行って、この面白いイベントに参加するためのハウツーをまとめた電子書籍を発行したり、日本では数万円で売ってるモノが数千円で売ってたので輸入販売することなんかを考えたりしていました。
しかし、考えるだけで実行に移していなかったため、1年後の成果の違いはご覧の通りです。彼が「ヒットの芽」を育て始めたのに対し、私は数本の記事を書いただけ。これから大きく花開く可能性のある商品。花開いたときの差はさらに大きくなることでしょう。
ここからわかることは「やること」の大切さです。
まず、広州交易会というイベントに参加しなければ、こんなものがあるということを知らなかったので、オートスライドを見つけることもできないし、こんな記事も書けない。チケットを買って中国に行って、参加することには意義があります。
ただ、参加して感心するだけでは充分なリターンは返ってきません。そこからさらに先方と交渉して購入し、自分で使って利便性を確認し、Webサイトを作り、販売し…という行動をすることによって、チケット代などの投資を回収していくことが大切なのです。
ぜひ新しい事に挑戦を
そして、一度こういう行動を起こして、利益を出したという経験が、冒頭でご紹介した、
「自分は、今やっている事業が全部潰れても、広州交易会に来て売る物を探せば、いつでもやりなおせると思っている。コンビニで深夜バイトして20万稼いで、ここに来ればいつでも復活できるという確信があるから、あまり怖い物はないですね」
という言葉に通じるわけです。
自分の将来に不安を感じている。この先老後が心配だ。などと思っている方は、ぜひ新しい事に挑戦してみてください。もちろん、失敗することもありますが、一度成功体験を積んで「なんとかなる」という実感を得ることで、彼の様に怖いものはなくなります。(森山たつを)
これまでもこのコラムで何度か触れた、サムライカレープロジェクトの報告会(東京・台東区、オークホテル)を5月11日(日曜)に行ないます。
サムライカレー卒業生も参加して、カンボジアでどんなことをしたのか?今何が起こっているのかをお話し致します。
ご興味がある方、ぜひご来場下さい。