できるところからでも改善を施していくべき
労基法を守り、なおかつ余裕で利益を出し、企業を存続させるのが本来あるべき「経営」の姿だ。それが充分にできない人間は、そもそも経営者失格といってよかろう。
労基法違反は刑事罰である。すなわち、「労基法を守れなくても仕方がない」と言い放ってしまうということは、経営者自ら「当社は違法企業です」と公言していることと同様である。
会社説明会で「当社は働きやすい環境です」などとさんざん耳に聞こえのいいことを吹聴しておきながら、実際は目標数字を追うためにギスギスした雰囲気で、残業代もロクに払わない、といった会社は多い。そんな会社がやっているのは「事実と異なる情報を流布して意思決定させる」という「詐欺」であり、「従業員の残業代を着服している」という「窃盗」である。
違法状態があることを知りながら放置している会社は、まさに「犯罪推進企業」であることを肝に銘じ、できるところからでも改善を施していくべきなのである。(新田龍)