誰もが幼い子供の頃に一度は憧れる職業といえば、男子はスポーツ選手やおまわりさん、女子は保育園の先生やケーキ屋・パティシェといったところか。新小学1年生にきいた2014年版「将来就きたい職業」(4月3日発表、クラレ)をみると、上位にはやはり、そうした顔ぶれが並ぶ。
「ベスト10」について2013年版と14年版を見比べた場合、「同じ顔ぶれが似たような順位に」という傾向がみられるが、ちょっとした「異変」があったのは、男の子の「職人」の項目だ。13年の6位から9位へ「急落」した。しかも、ベスト10入りした01年以降、最低の順位だった。
2001年調査以降で、順位も最低の9位
男の子の「ベスト10」では、「1位スポーツ選手」「2位警察官」など、13年と14年とで順位の「変化なし」が5項目、「変動はプラスマイナス1つ」が3項目、2つ順位を下げたのが1項目だった。13年版ベスト10と比べると、職人の「順位を3つ下げ」は、唯一最大の変動(下げ)幅だった。
また、「職人」の順位に絞ってみても、2001年調査で初のベスト10入り(4位)を果たして以降、今回の9位は最低となる。02年と09年の「2位」を最高順位とし、これまでに3位1回、4位4回、5位2回など「上位常連」だった。ここ最近は、11年7位、12年・13年ともに6位。そして今回の9位と続く。「ベスト10」も風前のともしびとなってきた。
1999年から始まった同調査で、「職人」が初めてベスト10入りした01年の調査結果概要では、「長引く不況を反映してか、公共的な職業や手に職をつけたいという『職人』への人気が高くなっています」と分析されていた。
不況と「職人人気」を結びつけた分析からすると、職人人気の「低下」は、好景気のきざし……と言えるのかどうか。案外、子供が景気を読み取る力は、鋭いのかもしれない。 (NF)