オバマが来た!見た!聞いた! 大学での「大ウケ」スピーチに学ぶ3つのコツ

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スピーチの3つのコツとは?

   私ごときのスピーチと並列するのも大変おこがましいのですが(笑)、オバマ大統領のスピーチと上記スピーチを比較して参考になりそうな点は何でしょう?

   1: 準備する、練習する

   第10回で書いたのですが、純ドメ日本人にとっては、ある程度ネタを用意して、同じネタを何回も話してブラッシュアップしていくことでようやく英語コミュニケーションが成り立つレベル。日本語ですら「実は風邪を引いています」と言って場を凍りつかせてしまうこともあるくらいですから、英語ではなおさら準備が必要です。

   2: 大義がある、キーメッセージがある

   オバマのスピーチで言えば、「Opportunity for All」が大義でありキーメッセージ。ただ「財源がないので増税します」「最低賃金が他国より低いので上げます」ではなく「すべての国民に平等にチャンスを与えるためには、最低賃金の向上が必要不可欠である」と語ることで納得度を上げています。私の場合は「ミシガン大学MBAが多様性に富んでいるからこそ、グローバルビジネスに必要なチームワークスキルを身につけることができる」ということをキーメッセージにして企業コンサルティングプロジェクトの事例を語っています。

   3: 笑えるポイント、盛り上がるポイントが3つ以上ある

   アメリカ人の優れたスピーチを聴いていると「盛り上がるフレーズをたたみかけるようにスピーチに入れ込むことで聴衆の興味を引く」ことに長けていると感じます。オバマの場合は「サンドイッチ屋」「バスケットボール選手」「Ten Ten」あたりが熱狂ポイントになっていました。私の例では、他の学生が「卒業後はコンサルに」「投資銀行に」と華々しいキャリアを語る中、唯一会社派遣だったので「幸運にもスポンサーがいるので、不運にも元の会社に戻らなければならないのだ」と最初の盛り上がりポイントをつくりました(あ、もちろん、本当に不運だと思っているのではありませんよ!)。ふたつめは「6人7国籍で最初は本当にカオス」。そして3つめは「ちょっと気候は寒いけどみんな心は温かい」(実際には雪がガンガン降っている)。「ちょっと笑えるエピソードを入れる」くらいにとどまらず「大げさなくらいスピーチにクライマックスをつくる」勢いが重要です。

   いかがでしょうか?もし万が一英語でスピーチをする機会に出会ってしまったら、上記の3つのコツを思い出してください。(室健)

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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