「従業員への感謝」が成長の原動力に 過去の倒産から経営者が学んだコト

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元社員の再就職斡旋に東奔西走

「オヤジがどれだけ自社の社員を大切にしてきたのか、痛いほど分かりました。会社が幕を閉じるその時に、社員の皆はこれまでのお礼をオヤジに言いに来ているんだなと思ったら、彼らを顧みることなく見捨てようとしていた自分が本当に情けなくなりました」

   その時彼は、とにかく社員には何を持ってもまず恩義を返そうと決めたといいます。オヤジを支えて会社に尽くしてくれた社員たちをこのままにしてはいけないと、翌日から全社員宅を訪問し退職金が払えないお詫びをしつつ再就職の希望を聞いて周り、知り合いのツテを頼って一人でも多くの元社員が一日も早くなるべく希望に近い形で社会復帰できるように東奔西走したのでした。

   その後約半年して、そんな従業員の再就職斡旋に精を出している中で、新たな仕事の話が舞い込んだのだと言います。そこで彼は、再就職先未定の元社員数人と共に新たな事業を立ち上げることを決意し、自分が社長を務める今の会社を立ち上げたのです。そして苦労を重ねながらも、皆で力を合わせつつ一歩一歩会社を成長させ、今では従業員約50人、複数の大手企業からも発注をもらえるほどの安定した会社組織にまで成長しました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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