うつ病、セクハラ、意味不明の新人… これが「会社トラブル」の全貌だ!

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   「うつ病」休職社員が「ハワイ旅行」に行っていた――これが、2009年4月14日に始まった当連載「ヨソでは言えない社内トラブル」の初回コラムでした。以来、週に1回の更新で続いてきた当連載も、5周年を機に今回で最終回を迎えることになりました。

   最終回は通常版とは形をかえ、これまでそれぞれの専門的見地を踏まえて相談に回答してきた担当の両氏に、5年間の連載を振り返ってもらいます。

社会保険労務士・野崎大輔からひと言
「メンタルヘルス問題の悩みが多かった」のが印象的

   連載を始めた当初は、1年くらいで終わるだろうと思っていました。結果として5年間も続けることができ、2011年には、連載をもとにした『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』(小学館集英社プロダクション)という書籍を出版することができました。

   始めの頃は、労使のどちらかが一方的に悪いという問題を扱ってきましたが、次第に白黒はっきりつけられないグレーな問題を多く取り上げるようになってきました。労働問題は実際、グレーな問題が多くて法律で一刀両断できるものは少ないのです。

   このコラムでは、会社で起きている労働問題についてふれてきましたが、印象的だったのはメンタルヘルスの問題で悩んでいるケースが多いということです。

   初回も「うつ病」休職社員がテーマで、その後も「入社前にうつ病の予備軍を見分けるにはどうしたらいいか」、「休職者が資格試験の勉強をしている」、「リハビリ勤務の社員に対して周囲がイライラしている」という風に様々な問題にふれてきました。最近では、就業時間中はうつ状態だが、好きなことはできるという新型うつの人が増えてきています。休職していてもパチンコに行ったり、飲み会に行ったりしているので、詐病なのではないかと疑われることも少なくありません。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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