同期の間でセコく醜い「仁義なき戦い」 「グローバル・リーダー研修の座」争う

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ありえないような"回り道"をする人も出没中

   また、社内に巡ったこんな噂から、ありえないような"回り道"をする人も出没中なんだとか。

「"人力クラウド"じゃありませんけど、人事の連中が将来のグローバル・リーダー候補の人間をリアルタイム検索し、周囲の人間の評判やどんな社外活動をしているのかの情報を探っているという噂が流れるや否や、フェイスブックやツイッターでやたらと自身の"プロボノ"活動や海外渡航歴をアピールする人が増えました」

   プロボノとは、ご存じビジネスパーソンが自身の専門性を活かして社会貢献するボランティア活動のことだ。

「でも、実際、そんなことをやっている人のプロボノ活動が全然プロボノになっていないんですよ。公園の掃除をしたとか、近所の緑道の緑化をするボランティアに参加したとか、全然、専門性を活かしてないじゃんって(笑)」

   そこまでしても、グローバル・リーダー候補になりたいのか――。

   A氏は、そうした上昇志向の高い同期に、当初こそあ然としたものの、今や感心し、尊敬までしているそうだ。

   しかし、こうした努力は、グローバル・リーダー研修に選出されるため、本当に役にたっているのか?

   A氏が人事部の同期に尋ねたところ、それが「ほとんど効果なし」だと言うのだ。また、筆者が複数の大手~中堅グローバル企業の人事担当者に聞いたところ、同じような解答を得た。一体、どういうことか?(以下次号、佐藤留美)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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