前回記事で少し触れたように、ある大手メーカーでは、同期から3~4%しか選ばれない「グローバル・リーダー研修」の座を巡って、同期の間でこんな熾烈な戦いが始まったという。
同メーカーに勤めるA氏が(仮名・36歳)が、語る。
「海外有名MBAと同じプログラムを導入し、グローバルに通用する経営哲学が学べるこの狭き門を掻い潜るため、相当セコイことをする同期が現れました。
当社では、全世界の拠点で人材データベースを統合、一元管理しており、グローバル・リーダー候補もこのデータベースをもとに選出するらしいのですが、このデータベースに載った自分の情報を書き込むのは、基本自分なんです。でも、今までは、通常誰も、自分のデータを書くなんて面倒臭い事はやってこなかった。そのことへのメリットが見えなかったからです。
ところが、このデータをもとに今後の出世が決まるって噂が流れた途端、みんな必死で書き込むようになったんです」
プロジェクトマネジメント歴を"盛り気味"に書く
一体、どんなことを書きこむというのか?
「TOEICが900点以上だとか書き込みたい余りに、まず己のTOEICのスコアアップに命を懸ける連中が増えました。それと、プロジェクトマネジメント歴を"盛り気味"に書く連中が増えましたね。
ほとんど自分がタッチしていないプロジェクトでも、『社内〇〇プロジェクトを牽引』だとかね(笑)。言ったもの勝ちの世界になりつつあります」
さらに、人事部にいる同期の元に駆け込み、グローバル・リーダー選出に手心を加えてくれるように、宴席をセットし猛烈プッシュする同期。
仮想ライバルに対し、よくない噂を流す同期の姿なども散見されるという。