頼りにならない「社内相談窓口」
しかし、今の環境がブラックであればあるほど、あなたがより良い条件で転職できる可能性は高くなるのだ。これは間違いないと断言しよう。
・ブラック企業は安い給料で働かせようとするから、転職先の給料は多少なりとも上がるだろう
・ブラック企業はハードワークを強いるから、転職先での勤務時間は多少なりとも少なくなるだろう
・ブラック企業はパワハラが日常茶飯事だから、転職先での労働環境や人間関係は多少なりとも良くなるだろう
・ブラック企業は個人のキャリアプランなど考慮せずに使い潰すから、転職先であなたは「労働市場で通用するスキル」を多少なりとも得られるだろう
責任感が強いあなたは「自分がここで辞めてしまったら、周囲の人に迷惑がかかる…」などと、最後まで責任感をもって配慮するかもしれないが、あなたという人間に対してロクに配慮しない会社に対して義理立てなどする必要は皆無である。
本当に報われないと感じたら、早めに辞める勇気も必要だ。なにしろ、その環境下で働くのは他でもない自分自身なのだから。
では、様々な事情によって、会社に残らざるを得ない場合はどうしたらいいのだろう。
ブラックな仕打ちに遭ってしまった本人が「訴えてやる!」と激昂したり、被害者に対して「そんなにひどいなら、訴えれば?」などとアドバイスしたりする構図はよく目にするが、それらはあくまで物語の中のハナシであることがほとんどだ。
じっくり考えてみれば、裁判にはお金も時間もかかるため、あまり現実的ではない。かといって、黙って泣き寝入りするというのも腹に据えかねるだろう。
最近は大手企業を中心に、労働環境に関する「社内相談窓口」を設置するところも増えてきているが、残念ながらそこに頼り切れない実情もみてとれる。